2023.12.15
新しい猪苗代湖のお土産「猪苗代湖産ひし茶いなびし」について、専門家に聞いてみました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私が暮らす猪苗代町はなぜかピンポイントで銀世界になりまして、会津盆地や中通りに先駆けて冬到来!(嬉しくはない)という風情です。
さて本日は、昨年から数回にわたって取材をしている、「株式会社いなびし」。
今まではそのSDGsな取り組みについて主に取材してきましたが、今回はその商品、「猪苗代湖産ひし茶 いなびし」の原材料・「菱」の実際の効能について迫っていきたいと思います。
前回の取材記事はこちら
いなびしのクラウドファンディング紹介ページはこちら ※現在は終了しています。
県民の皆さんには言わずと知れた県内最大の湖・猪苗代湖。
日本国内でも琵琶湖・霞ヶ浦・サロマ湖に続き第四位の大きさを誇る湖です。
酸性が強く、魚が住めない湖と言われてきました。それ故にかつては水質日本一を誇っていましたが、近年はpH値が上がり、魚や水生植物には繁殖しやすい環境となっています。
そこで問題となってきているのが、繁殖した水草が枯れ、腐ることによって起こる水質汚染。
株式会社いなびしの取り組みは、この水草のうちの一つである「菱(ひし)」を猪苗代湖の名産品として売り出すことによって、湖の汚染を食い止め、雇用を生み出し、世界にもアピールをして町に還元していくということです。
前置きが長くなりましたが、今回は「菱」そのものについて、掘り下げていきたいと思います。
今回お話を伺ったのは、菱の研究の第一人者である、佐賀県西九州大学の健康栄養学部 安田 みどり教授。
写真の方にすでに気になる情報が記載されてはいますが。
安田教授はもともと、化学の分野で食品の成分分析などをされていました。
幼少期から、ご自身のお祖父様、お婆様が食べたり、煎じて飲んでいるのをみて菱自体には馴染みがあったそう。
猪苗代町でも、戦時中に食べていたという話があるので、世代が上の方には身近な植物だったのでしょう。
そんな馴染みの深い菱、西九州大学に他県からくる学生は全くと言っていいほど知らない。
大学のある佐賀県では農閑期の田んぼで栽培され、収穫期にはニュースになるほどなのに、です。
そこで「菱」について調べてみると、正式に研究・発表されている論文がほとんど無かったそう。
ちょうど地元食材に根差した研究をしたかったということもあり、「ならば私が調べてみよう!」とご自身で菱を研究するに至ったそうです。
うーんかっこいい・・・。
佐賀では、菱の実が自生するのはほとんどが川で、増水などで水面が上がると茎が切れ、枯れてしまいます。
自生のものだけだと年によって収穫量の差があるため、農閑期の田んぼで栽培し、子供達の授業の教材にもなっています。
収穫期は、川のものは11月、田んぼのものは、2月まで。
いつ収穫するかによって栄養成分に差が出て、それぞれに適した様々な商品に使用されています。
安田教授の研究によると、「猪苗代湖産ひし茶 いなびし」にも使われている菱の外皮には、5種類ものポリフェノールが含まれています。
中でも菱にしか含まれていない「トラパイン」というポリフェノールは、抗酸化力においては、緑茶に含まれるあのカテキンにも匹敵する効果を発揮するんだとか。
また、人の臨床試験において、菱のポリフェノールには血糖値上昇を抑える働きも認められています。
食前に飲んだり、食事に合わせるとより健康効果が得られそうですね。
そしてそして、女性として気になるのが「アンチエイジング作用」。
菱の成分には、肌を美しく保つのに重要な、ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンといった成分を殺してしまう酵素を阻害する働きがあり、シワやたるみへの効果が期待できるんだとか・・・!
こちらは東京の企業との共同研究で、今後化粧品として開発していく予定だそう。
ブルドッグ顔予備軍の私としては、一刻も早い商品化を願うばかり・・・。
私のほっぺがぶら下がる前に発売してください!!!
ここまで駆け足で菱の効能についてご紹介してきましたが、最後に、安田教授の菱への思いをお聞きしました。
「菱は大切な資源だと思っています。ぜひ健康と環境のために、捨てないで利用して行って欲しいです。」
ありがとうございました。
これまで、猪苗代湖の厄介者だった菱。
詳しく調べてみると、実はヒーローたりえる存在かも・・・?
今後のいなびしの活動に要注目ですね!!
本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
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