竹久夢二生誕百四十年記念　夢二と会津　そして柳涯展

　夢二式美人ともてはやされた夢二は、多彩な女性遍歴から生まれる情緒的とも退廃的とも言える雰囲気を醸し出し、日本画、洋画、版画、挿絵、装幀、デザインはもとより、詩、俳句、歌謡、童話に至るまで手掛け、大正ロマンを体現するマルチタレントとも言うべき存在でした。
　その多感さゆえに荒畑寒村や幸徳秋水とも交友し、当局から逃れて明治４４年に若松を訪れ、長尾柳涯宅へ身を隠したのが会津や柳涯との関わりのはじまりで、亡くなるまで家族同然に夢二と柳涯の親交は続いたのです。
　こうした夢二と会津のつながりを探っていただければと思い、夢二の版画作品に加え、数少ない柳涯の作品もあわせて展示いたします。